自分の辞書には無かった「労働寄生」という単語。初めて見たハチを撮影して、図鑑で調べたことで知りました。
ハッカの花が咲いている場所に、腹部がオレンジ色をした見たことが無いハチが来ていて、これはめずらしいハチに違いないと撮影しました。
ネット図鑑で調べ、「ハラアカハキリヤドリバチ」(ハキリバチ科)という名前にたどり着きました。
残念ながら希少種ではありませんでしたが、その習性はちょっとめずらしいものでした。
産卵する場所は、別種のオオハキリバチの巣で、既にオオハキリバチの卵がある場合は、卵をかみつぶし、幼虫がいる場合は、巣の外に捨てるという、何とも狡猾な手口。巣を修復して産卵し、孵った幼虫はオオハキリバチの幼虫の餌(ハキリバチなので、親が集めてきた「葉」)を横取りして成長するのだそうです。
このように、親が集めてきた餌を横取りするので「労働寄生蜂」と呼ばれます。
「寄生」というと、取りついた主の体から直接栄養を吸い取るイメージですが、主が餌にするために働いて集めたもの(葉や花粉など)を、餌として横取りするのも「寄生」のひとつなんですね。成虫が見られる期間はごく短いので、撮影出来てラッキーでした。
何年か前に、この同じ場所でハッカの花に来ていたルリモンハナバチ(コシブトハナバチ科)を撮ったことがあったなぁと思い出しました。「ルリモンハナバチ」を改めて調べてみると、このハチもほかのハチの巣に産卵し、孵った幼虫は巣に蓄えられている花粉を食べて育つ、「労働寄生」をするハチだということが分かりました。
自分の観察エリアの中で、ハッカがまとまって咲く場所はここだけですが、そこに「労働寄生」する2種類のハチが、花が咲く短い時期にやって来るのですから、自然は奥が深いですね。
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