キンランを食らう

キンラン、ギンランが、そろそろ花盛りの時期を過ぎようとしています。

稀少種であることに加えて、近年、ランの種子を食べるハエの幼虫による食害によって、結実しないという事例が多発して、危機的な状況になっているようです。
ハモグリバエの1種、ランミモグリバエという小さなハエが元凶です。このハエはキンラン、ギンランだけではなく、クマガイソウやオオバノトンボソウなどランの仲間の種子を食害するので、個体群を維持するために、可及的速やかな対策が必要とされています。

  こちらがランミモグリバエと思われる小さなハエ。
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  キンランの花を食べているゾウムシ。
  ツヤハダヒメゾウムシという名だそうです。

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  茎に産卵するのだと思いますが、その場面は撮影できていません。




  キンラン、ギンランだけがターゲットではありませんが、クワゴマダラヒトリの幼虫は、
  クワだけではなく、いろいろな植物を食べるようです。キンランの花と葉を食べていました。

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  受難のキンラン、ギンランですが、苦難を乗り越え、来年も花を咲かせてほしいものです。

この記事へのコメント

岩崎
2020年02月08日 16:56
一寸のハエ で画像を拝見し、発生状況などもう少し詳しい情報があるかと思い検索してこちらにたどり着きました。私はハモグリバエの分類を行っております。画像のハエは、ランに対する定位(執着)の程度が強いようであればランミモグリバエの可能性が高いと思います。ランに寄生するハモグリバエはほかには知られないこと、翅基部の色彩や平均棍が黒いことなど、当該種とので矛盾がみられません。ただし、全体黒色の種は他に沢山いるので、画像だけで確定できないのも事実です。
メンバラ
2020年02月08日 19:34
岩崎さま

キンランの種子がランミモグリバエの幼虫に食害され危機に瀕しているということを、ほかの方のブログで見て、キンランの花を食害するゾウムシとセットで探しました。キンランにいたという状況と画像からだけでは、ハモグリバエの多くの種類からランミモグリバエとは断定できないことを知りました。

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