ジンガサハムシ その後(追記あり)
この記事は6月下旬から現在までを思いつくままに記述しているので、内容が時系列に並んでいない部分があります。また、観察継続中なので、記事内容を随時追加し、のちほど再編集する予定です。
この記事で「昆虫」テーマの記事が500! それだからというわけではありませんが、気合を入れました。
草薮を覆い隠さんばかりに繁っていたヒルガオも、ジンガサハムシなどに食われて、無残な姿になっていました。
ジンガサハムシがいる近くにイノコズチが生えていたので、イノコズチカメノコハムシを探してみました。大きさの比較のためにジンガサハムシに協力してもらいました。
イノコズチカメノコハムシはジンガサハムシより「2まわり小さい」と表現したことがありましたが、もっと小さいですね。
ジンガサハムシはだいたい8ミリ前後の個体が多いようです。
ガラス板を使って成虫の腹側を撮影しようとすると、じっとしていてくれることは稀で、ピントを合わせようとモタモタしている間に飛ばれてしまうこともしばしばで、うまくいきませんでした。
次に試したのは、ガラス板より軽くて割れないアクリル板。しかし、アクリル板は表面に傷がつきやすく、新品でも目立つ傷がすでに付いていて、撮影するとキズが目立ってしまうので、ダメでした。そこで考え付いたのが、写真などを保管するのに使う、ポリプロピレン製のクリアーポケット。採寸や裏側を撮影するのに、動きを制限してくれるので、楽に撮影出来ます。
使えるのは硬い甲羅で覆われている甲虫類、それも体高がさほどないものに限られますが、この撮影方法でダメージを与えることはないと思います。
*** *** *** *** *** ***
葉をひっくり返すと、ほとんどの葉の裏側にはジンガサハムシの卵や幼虫がいて、見つけるのが珍しかったことが嘘のように、成虫があちこちにいるんです(狂喜!)
試しに捕まえてみたら、短時間で20匹も!! 体色別では、黒褐色の個体が一番多くて14匹、淡い褐色が5匹、金色に輝いているのは1匹だけでした。
捕まえた20匹と、蔓を伸ばし始めているまだ小さい株をいくつか掘って来て、小さな飼育ケースに入れておいたら、ほぼ1日で葉がぼろぼろになるほど食べ尽くされてしまい、飼育ケースの壁面がフンで汚れてしまいました。体が小さいのに食欲は旺盛です。
ちょっと大きめの飼育ケースを買って移し替え、ヒルガオを掘りに行ったついでに、ヒルガオの葉にいた終齢に近いと思われる幼虫を数匹、連れ帰りました。
その中に、蛹がありました!!
きれいなものですね。右が頭部です。
飼育ケースのヒルガオは1日おきに補充しなければならず、飼育個体数を減らさざるを得なくなり、半数を放してきました。「現場」では、成虫の姿がさらに増えていました。それなのに、なかなか蛹が見つからないのです。
たまたま、ヒルガオと競って繁茂しているクズやヤブカラシの葉をひっくりかえしてみて、ビックリ! ヤブカラシの葉裏に、いくつもの蛹があったのです(^o^) ヒルガオの葉裏ばかりを探していたから見つからなかったのです。
食草のヒルガオで蛹化すると、他の幼虫や成虫に食べられて葉がボロボロになってしまい、落下する危険性を察知しているのかもしれません。
しかし、幅広で雨から身を守れそうなクズの葉裏で蛹化している個体はわずかでした。
想像するに、クズの葉のように幅広で大きいと、強風のときに揺れる振幅が大きくて、振り落とされて危険性が高いからかなぁと思ったのですが、そこまでの知恵があるのかどうか……。
いくつか蛹を連れ帰り、別のケースに入れて観察することにしました。葉が萎れてしまわないように、根元を濡らしたティッシュで包み、乾燥しないようにアルミホイルを巻いています。ほとんどがヤブカラシの葉です。
終齢幼虫も混じっていますが、白い矢印が蛹です。
蛹を取ってきたのは7月2日。これは翌7月3日の状態です。
7月4日。朝には終齢幼虫もすべて蛹化し、蛹を数えてみたら27もありました。
その日の午後に2匹が羽化してケースの縁にくっついているのに気が付きました。羽化したばかりは体が白いんだそうですが、それを見逃しました(^_^;)
羽化した2匹がどの蛹から出てきたのか、パッと見たぐらいではわかりませんでした。蛹がそのままの形で残っているからです。1つは葉から簡単に取れましたが、別の1つはしっかりくっついていました。
葉から外した脱皮殻。
蛹を見ていたら、ときどき動く個体がいました。
べったりと葉にくっついているわけではなく、頭部を持ち上げることがあります。
7月5日。早く目が覚めたので、明かりをつけてケースの中を確認してみました。
羽化した個体はいないと思ったのですが、葉をひっくり返して見ると、なんと2匹の成虫が葉裏にくっついていました。見逃した羽化直後の状態を見ることが出来ました(^o^)
葉裏から移動させようとしたときに、ひっくり返ってしまったので……
羽化直後は一段と透明感があります。
他に羽化した個体がいないか、葉をひっくり返した時に落ちてしまった蛹も裏側から撮影しておきました。
羽化は夜間に行われるというわけではなさそうです。
7月5日には昼間に1匹が羽化しました。
13時44分21秒撮影。
13時44分33秒撮影。翅をいったん伸ばしてから上翅の下にしまわれていきました。
13時56分20秒撮影。上翅に色がついてきました。
15時05分25秒撮影。上翅の色が濃くなりました。ほぼ完成形態です。
【7月7日6:40追記】
飼育開始から7月6日夜までの間に6匹が羽化し、7日朝、目覚めると、さらに6匹が一挙に羽化していました。夜間に羽化する個体が多いということなのでしょう。羽化の瞬間をいずれも見ていません(^_^;)
移動するために別の小さなプラケースに移した6匹のうちの3匹。
羽化してからの経過時間の違いで、体色がかなり違いますね。
一番右は羽化したてのようです。
その一番右側の個体は大きさが9ミリ近くあり、最大級の大きさです。
スケールは薄いピンク色をしています。
……というわけで、試行錯誤の繰り返しの毎日をまとめてみました。
羽化するときの様子、産卵の様子などを報告できると良いのですが…。
※文中、「ヒルガオ」と表記していますが、コヒルガオ、セイヨウヒルガオ(ヒメヒルガオ)、アイノコヒルガオなんていう名称の仲間があるようで、そのいずれなのかの同定は出来ていません。
この記事で「昆虫」テーマの記事が500! それだからというわけではありませんが、気合を入れました。
草薮を覆い隠さんばかりに繁っていたヒルガオも、ジンガサハムシなどに食われて、無残な姿になっていました。
ジンガサハムシがいる近くにイノコズチが生えていたので、イノコズチカメノコハムシを探してみました。大きさの比較のためにジンガサハムシに協力してもらいました。
イノコズチカメノコハムシはジンガサハムシより「2まわり小さい」と表現したことがありましたが、もっと小さいですね。
ジンガサハムシはだいたい8ミリ前後の個体が多いようです。
ガラス板を使って成虫の腹側を撮影しようとすると、じっとしていてくれることは稀で、ピントを合わせようとモタモタしている間に飛ばれてしまうこともしばしばで、うまくいきませんでした。
次に試したのは、ガラス板より軽くて割れないアクリル板。しかし、アクリル板は表面に傷がつきやすく、新品でも目立つ傷がすでに付いていて、撮影するとキズが目立ってしまうので、ダメでした。そこで考え付いたのが、写真などを保管するのに使う、ポリプロピレン製のクリアーポケット。採寸や裏側を撮影するのに、動きを制限してくれるので、楽に撮影出来ます。
使えるのは硬い甲羅で覆われている甲虫類、それも体高がさほどないものに限られますが、この撮影方法でダメージを与えることはないと思います。
*** *** *** *** *** ***
葉をひっくり返すと、ほとんどの葉の裏側にはジンガサハムシの卵や幼虫がいて、見つけるのが珍しかったことが嘘のように、成虫があちこちにいるんです(狂喜!)
試しに捕まえてみたら、短時間で20匹も!! 体色別では、黒褐色の個体が一番多くて14匹、淡い褐色が5匹、金色に輝いているのは1匹だけでした。
捕まえた20匹と、蔓を伸ばし始めているまだ小さい株をいくつか掘って来て、小さな飼育ケースに入れておいたら、ほぼ1日で葉がぼろぼろになるほど食べ尽くされてしまい、飼育ケースの壁面がフンで汚れてしまいました。体が小さいのに食欲は旺盛です。
ちょっと大きめの飼育ケースを買って移し替え、ヒルガオを掘りに行ったついでに、ヒルガオの葉にいた終齢に近いと思われる幼虫を数匹、連れ帰りました。
その中に、蛹がありました!!
きれいなものですね。右が頭部です。
飼育ケースのヒルガオは1日おきに補充しなければならず、飼育個体数を減らさざるを得なくなり、半数を放してきました。「現場」では、成虫の姿がさらに増えていました。それなのに、なかなか蛹が見つからないのです。
たまたま、ヒルガオと競って繁茂しているクズやヤブカラシの葉をひっくりかえしてみて、ビックリ! ヤブカラシの葉裏に、いくつもの蛹があったのです(^o^) ヒルガオの葉裏ばかりを探していたから見つからなかったのです。
食草のヒルガオで蛹化すると、他の幼虫や成虫に食べられて葉がボロボロになってしまい、落下する危険性を察知しているのかもしれません。
しかし、幅広で雨から身を守れそうなクズの葉裏で蛹化している個体はわずかでした。
想像するに、クズの葉のように幅広で大きいと、強風のときに揺れる振幅が大きくて、振り落とされて危険性が高いからかなぁと思ったのですが、そこまでの知恵があるのかどうか……。
いくつか蛹を連れ帰り、別のケースに入れて観察することにしました。葉が萎れてしまわないように、根元を濡らしたティッシュで包み、乾燥しないようにアルミホイルを巻いています。ほとんどがヤブカラシの葉です。
終齢幼虫も混じっていますが、白い矢印が蛹です。
蛹を取ってきたのは7月2日。これは翌7月3日の状態です。
7月4日。朝には終齢幼虫もすべて蛹化し、蛹を数えてみたら27もありました。
その日の午後に2匹が羽化してケースの縁にくっついているのに気が付きました。羽化したばかりは体が白いんだそうですが、それを見逃しました(^_^;)
羽化した2匹がどの蛹から出てきたのか、パッと見たぐらいではわかりませんでした。蛹がそのままの形で残っているからです。1つは葉から簡単に取れましたが、別の1つはしっかりくっついていました。
葉から外した脱皮殻。
蛹を見ていたら、ときどき動く個体がいました。
べったりと葉にくっついているわけではなく、頭部を持ち上げることがあります。
7月5日。早く目が覚めたので、明かりをつけてケースの中を確認してみました。
羽化した個体はいないと思ったのですが、葉をひっくり返して見ると、なんと2匹の成虫が葉裏にくっついていました。見逃した羽化直後の状態を見ることが出来ました(^o^)
葉裏から移動させようとしたときに、ひっくり返ってしまったので……
羽化直後は一段と透明感があります。
他に羽化した個体がいないか、葉をひっくり返した時に落ちてしまった蛹も裏側から撮影しておきました。
羽化は夜間に行われるというわけではなさそうです。
7月5日には昼間に1匹が羽化しました。
13時44分21秒撮影。
13時44分33秒撮影。翅をいったん伸ばしてから上翅の下にしまわれていきました。
13時56分20秒撮影。上翅に色がついてきました。
15時05分25秒撮影。上翅の色が濃くなりました。ほぼ完成形態です。
【7月7日6:40追記】
飼育開始から7月6日夜までの間に6匹が羽化し、7日朝、目覚めると、さらに6匹が一挙に羽化していました。夜間に羽化する個体が多いということなのでしょう。羽化の瞬間をいずれも見ていません(^_^;)
移動するために別の小さなプラケースに移した6匹のうちの3匹。
羽化してからの経過時間の違いで、体色がかなり違いますね。
一番右は羽化したてのようです。
その一番右側の個体は大きさが9ミリ近くあり、最大級の大きさです。
スケールは薄いピンク色をしています。
……というわけで、試行錯誤の繰り返しの毎日をまとめてみました。
羽化するときの様子、産卵の様子などを報告できると良いのですが…。
※文中、「ヒルガオ」と表記していますが、コヒルガオ、セイヨウヒルガオ(ヒメヒルガオ)、アイノコヒルガオなんていう名称の仲間があるようで、そのいずれなのかの同定は出来ていません。
この記事へのコメント
ファーブルの観察室のようですね。
透明から徐々に色づく様子、見て見たいですね。
★ポリプロピレン製のクリアーポケットを探して見ます。
ツユヒメさんの後押しで、飼育を始めてみました。
成虫の食欲はすごいので、数を飼育するのはちょっと…ですが、蛹はとっても楽です。しかし、気づかないうちに羽化していて、ヤブガラシの葉の裏に隠れてしまうことが多く、気づかずにいたら食草にありつけなくて死んでしまうので、気を遣います。
ポリプロピレン製のクリアーポケットは、ホームセンターの文具売り場や100均でも手に入ります。