入門編 *飛翔猛禽の同定*

ほとんど地元に密着して猛禽類を見ているので、見られる種類はそんなに多くなく、遠くに出かけなければいないもの、山間部にしかいないものは見たことがありません。これまでここに載せたのは、ミサゴ、トビ、オオタカ、ツミ、ハイタカ、ノスリ、サシバ、ハイイロチュウヒ、チュウヒ、ハヤブサ、チゴハヤブサ、コチョウゲンボウ、チョウゲンボウぐらいです。(チゴハヤブサは6年間で現われたのは一度だけですから、かなりレアです)
幸いにも、MYフィールドでは、これらの猛禽類と遭遇するチャンスがそこそこあるので、見ているうちにある程度の識別が出来るようになってきました。
……などと、さもわかっているかのようですが、6年前に鳥見を始めた頃は、どんな猛禽類がいるのかもまったく知らず、チュウヒとトビの区別すら出来ずにいました。この場で HELP !! を連発して、ご教示を求めていました。それは猛禽類に限ったことではなかったですが…(^_^;) 
これから鳥見を始めようという方以外には、あまり役に立つ話とは思えませんが、猛禽類の同定を撮影画像だけから判断しようとすると間違える可能性が高いということについて、自戒の意味を込めて、例を挙げてみます。
「ハイタカ? オオタカ? それともツミ??」 と判断に迷った猛禽を例にします。

2枚の画像をご覧ください。撮影時期は先月、11月です。
高いところを飛ぶ猛禽ですから、その時の天候にも左右されますが、露出補正がうまくいって羽裏まできれいに撮れることは少ないです。しかも不鮮明な画像しか撮れないことが多く、撮れた画像と図鑑に載っている画像を見比べても、同じような姿勢のものでも、細部の写りが違うので比較できないことが多いのです。細部がわからないと、つい識別点として挙げられているわかりやすい点に目が行くのは当然です。
今回の場合も高い所を飛んだので、切り取り拡大しても、不鮮明さがさらに目立つだけです。

      翼の先がいくつに分離しているかを見るのが、一番わかりやすいのではと考えました。
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      画像に数を入れましたが、翼先が上は5つ、下は6つに分かれていると思われます。

図鑑のハイタカ属の説明には、翼先分離が5つはツミ、6つはオオタカとハイタカとあり、その説明に従えば、上はツミ♀で、下はオオタカかハイタカということになります。
それでは上の個体はツミなのでしょうか。ツミが11月にいるの? という疑問が残りますが、渡らずに居残るツミもいますから、一概に否定はできません。 
上は下に比べて細身のように見えます。オオタカは胴が太いと書いてあるので、上がツミで、下はハイタカか、胴が太いからオオタカかなぁ? という判断をしたくなります。

ところが実際は、2枚とも同じ個体を撮影したコマ違いなのです。体の向き、尾羽の広げ方の違いで”別人”に見えてしまうこともあるのです。図鑑の説明にある翼先分離という識別点だけで判断したら、間違えてしまいますね。
猛禽類に限らず、同定する時に識別する着目点にこだわりすぎると、絞り込む方向に誤りが生じてしまいます。自分からの距離がわからず、鳥の実際の大きさも不明のまま、撮影した画像と図鑑を見比べて判断しようとするのには無理があるようです。初めて遭遇した鳥は、大きく見えてしまう傾向もあるようです。

この場合、翼先分離の数は、5つに見える角度はあるけれど、6つですから、ハイタカかオオタカということになり、風切の横紋がはっきりしているという点で、ハイタカではないかという判断をしました。胸に赤味があるような、無いような…で、私には雌雄の別はわかりません。

バードウオッチングから野鳥撮影に入った方は、じっくり観察してきた基礎があるため、「見る」に「撮る」が加わっても問題は生じません。ところが私のように、カメラをいじるのが好きという程度の人間が、撮る対象に野鳥を加え始めて、次第にのめりこんでいったという場合は、撮ることばかりに集中するあまり、肝心の主体を観察しないという大きな欠点を抱えることが多くなります。
これから鳥見を始めようとする方は、撮ることは二の次にして、まずは双眼鏡の使い方に慣れ、動く野鳥を視野に入れ続けられるようになれば、じっくり観察できますし、カメラのファインダーに入れ続けるときの役にも立ちます。そこを第一歩にすれば、着実かつ迅速に識別できるようになり、「何を撮ろうとしたのかわかっている」ところから始められます。最初はうまく撮れなくても、あとは撮影技術の腕を磨くだけです。私のように、「撮ってはみたけど何だかよくわからない」ということを繰り返すのとは、雲泥の差です。

撮ることだけに夢中になってしまう私のような人は、その欠点を補うために、良いポーズを撮ることにこだわらずに、思いつく色々な識別点をしっかり撮るつもりでシャッターを押し、同時に飛び方の特徴などにも注意を払い、あとはいつものように、撮れた画像と図鑑類をあれこれ見比べながら、「あーでもない、こーでもない、さてこれは??」と、同定に頭を悩ませる他に道はないようです(^_^;)

この記事へのコメント

2012年12月05日 18:29
1枚だけの写真で同定するのは確かに危ういものがありますね。ツミとハイタカの場合でも初列風切の最も小さいものは隠れていることもありますし。同じ写真と言われなかったらこの2枚も別種と思いそうです。鳥の名前は慎重に・・・ブログを公開されている方は特に。私も注意したいと思います。
2012年12月05日 19:30
鳥の同定は難しい点がありますね。でもこうして工夫していくことが少しずつ確実性を高めることになりますね。これも鳥見の楽しみのひとつと割り切っています。
2012年12月05日 22:44
ハイタカっぽい気がしますが、同定は、難しいですよね。
2012年12月07日 20:43
健康法師*さん
同定作業の中で、つい珍しい方に引っ張られてしまいそうな時があります。
ブログは不特定多数の方が見るのですから、よくわからないときは「わからない」あるいは「教えてください」と書いた方がいいですね。教えを乞えば、親切な方が教えてくれるというメリットがあるのですから。

マイ野鳥図鑑*さん
私には難しい点ばかりです(^_^;) これからもご教示賜ることが多いと思いますので、よろしくお願いします。

POPO*さん
ついつい良く撮れたと思える1枚で判断しがちですが、ゴミ箱に捨てる前に特徴が写っているものが無いか、良く見た方が良いですね。

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