皆の嫌われものゴキブリにも、天敵がいます。それはアシダカグモという国内で二番目の大きさの大型のクモ。体長は30ミリ……えっ? たった3センチ?
クモの「体長」はボディーだけの長さをいい、脚の長さを含まないからなんです。「アシダカ」とつくからには、脚がかなり長いんです。
クモの図鑑でゴキブリを捕まえている写真を見た時に、すばしっこいゴキブリを捕える能力は称賛に値すると思いましたが、実際にその姿を見た時にはビックリ! 脚は体長の何倍もあるので、相当でかい! 徘徊するクモなので、どこで遭遇するかわかりません。
そんなアシダカグモを捕まえる、南方系のハチが北上しています。ツマアカクモバチ(別名ツマアカベッコウ)というんだそうです。
[ ベッコウバチの仲間だろうとは思ったのですが、いろいろ調べてもわからず、昆虫に詳しい方にお尋ねしたら、すぐに教えていただけました(^o^) ]
そのハチが、アシダカグモを捕まえて運ぼうとしている場面に遭遇しました。カメラを取りに行っている間に、肝心のハチの姿が見えなくなってしまいました。
ハチの一刺しで麻酔されて動けなくなっているアシダカグモ。
しばらくすると、ツマアカクモバチが戻ってきました。
どこに運ぼうとしているのか……。
かなりの力持ちです。
ちょっと方向転換して、迂回するつもりなのか。
だらんとしたクモの脚先の爪が、コンクリに引っかかってしまいます。
ハチはクモが抵抗していると思ったのか、針を刺しなおします。
引きずりあげる作戦を変更して、格子の間から引き込むことにしたようです。床下に巣を構えているのか?
これはどう見ても無理ですよね。
延々とこの作業を繰り返すので、私の方が根負けして、家のことをしているうちに、ハチもクモも姿を消してしまいました(^_^;)
ちなみに、日本で一番大きいとされるクモはオオジョロウグモの♀で、体長は50ミリになる個体もあるそうです。脚も入れれば20センチ! 網を張るクモですから、出合い頭にびっくりさせられることはないので、ご安心を。
この記事へのコメント
松の陰
嫌われ者のゴキブリを捕獲してくれるのですから歓迎されても良さそうですが、クモ嫌いの人も多いですね(^^;
しかもこの大きさだと確実に・・・。
私は益虫として見守るのになぁ~
メンバラ
ツマアカクモバチ(ツマアカベッコウ)で検索すると、アシダカグモを捕まえたブログ記事がけっこう出てきます。生息域が北上していることで、目に触れる機会が増えてきたということだと思います。
他の南方系の昆虫にも共通することなのですが、北限とされていたラインがどんどん北上しているわけですから、そこに暮らしていた生物に影響を与えないわけがありません。
温暖化は自分では移動できない植物にも影響を与えているわけですから、小さなことから、やがてニンゲンにも影響が及んだと気づいた時には、取り返しがつかなくなってしまうんでしょうね。