山叺(ヤマカマス)

カマスといえば……漢字で梭子魚などと書く魚がいますが、アカカマス、アオカマス、オオカマスなどのスズキ目カマス科の海魚の総称だそうです。でも、今日のカマスは、魚のカマスではなく、
「突っ張りを噛ます」時のカマス。 なんでやねん…… でもなく、石炭などを入れる筵(むしろ)を二つ折りにして作った袋の「叺」です。ほとんど死語になりかけているコトバかもしれません。
メンバラと同じ時代を経た方は、あ~、そんなのがあった! となると思います。
形を思い出してもらえましたか? 前振りが長くなりましたが、今日はその「叺」の前に、「山」が付いているのです。
とりあえず、写真をご覧いただきましょう。
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葉を落とした枝に、なにやらぶら下がっているものがありますね。遠目でわかりにくいので、少し大きくしてみます。
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「叺」の形ねぇ……まあ、強いて言えば……という程度ですね。

メンバラがこの手の写真を載せると、ここからナニカ出てくるのでは……と、ブログを始めた頃からの訪問者の方々は、回れ右をしようと身構えているのでは? 大丈夫、大丈夫、虫ギライの方も、これは大丈夫。
だって、この時期に葉を落とした枝にぶら下がっているものは、羽化した後だから中はカラッポなんです。近くに親御さんもいませんから。
(ただ♀が羽化したものだと、表面に卵が産み付けられていることが多いんだそうです。これには見当たりませんね)
ウスタビガというヤママユガ科の蛾のサナギです。
卵で越冬し、春に孵化して、6~7月ごろに蛹化。秋も遅くなってから羽化して、産卵すると死んでしまうんだそうです。幼虫はクヌギ、コナラ、カシワ、サクラ、ケヤキ、エノキなどの葉を食べるので、このヤマカマスも、そういった木の枝で発見できます。
図鑑で親の写真を見ましたが、モロ、蛾でした。だから、ブログに載せて~ぇ と飛んできたとしても、ここには載せてあげられないと思います。

この記事へのコメント

  • デカダックス

    ライトグリーンの綺麗な蛹。繭ですね。
    綺麗な色の絹糸がとれそうだけど?
    こんな素敵なベッドで幼年期を過ごしても、大人になったら、ただのモロ蛾?!
    ま、人間だって、ほぼ似たようなもんだ。
    冬の枯れ木も気を付けて見れば、面白い物や可愛い物がぶらさがっているんですねー。
    ヤマカマスにネーミング大賞を。
    カマスは死語になったとしても、ヤマカマスという名前で歴史は残ります。
    2007年02月22日 22:52

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ウスタビガとヤママユガ
Excerpt: 山叺(やまかます)として前に紹介したウスタビガの繭ですが、今日はヤママユガの繭もあったので、両方を比べてみます。
Weblog: メンバラ&身近な自然
Tracked: 2007-03-18 00:18